理学療法 運動療法まとめ

lateral thrust(ラテラルスラスト)に対しての運動療法で悩んでませんか?

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変形性膝関節症は高齢者に多くみられる疾患であり、60歳以上では人口の80%以上にX線学的な変化がみられ、約40%に症状があり、約10%が日常生活に支障をきたしているといわれている。その変形性膝関節症の特徴であるlateral thrustについてまとめました。 

 lateral thrust(ラテラルスラスト)とは

lateral thrustとは膝が外側へ動的に移動することです。

歩行の立脚初期に急速な外側への動揺を認め、膝の内反変形が増強したように見える現象です。

実は健常者の約10〜15%にもlateral thrustが認められます。

変形性膝関節症には高率で出現し、膝の動揺性や適合性・下肢筋力低下に関連があるとされています。 



lateral thrustするとどうなる?

簡単に言うと変形性膝関節症が進行します。

初期の関節症変化の時期では内側関節裂隙狭小化だけでなく、外側関節裂隙の拡大が起こります。こうなると、関節軟骨の破壊よりも先に関節の適合性が破綻し、膝関節が不安定になってしまいます。徐々に痛みも強くなり、歩行が不安定になっていく原因となります。


 

lateral thrustを止めるには?

lateral thrustを止めるためには下記の3つが有効と言われてます。 

①筋肉での安定性を高める

②膝関節のサポーターの使用

③インソールの装着 



lateral thrustに対しての運動療法

lateral thrustに対しての運動療法としては筋肉での安定性を高めると効果が期待出来ます。

筋肉での安定性を高める為に以下の3つのポイントをあげてみました。

1.大腿四頭筋(特に内側広筋や中間広筋)の機能改善によりheel contact時に膝伸展位で安定

2.大殿筋、大内転筋、中殿筋の機能改善により骨盤の安定

3.固有受容器の改善

 
ラテラルスラストに対する運動療法

ラテラルスラストに対する運動療法を4つご紹介します。

 ①lateral thrust予防の内側広筋Ex

Quad setteing(タオルつぶし)

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内側広筋は膝伸展ー15度以上で働きます。内側広筋は萎縮しやすい筋肉です。

大腿四頭筋が萎縮すると歩行時の膝関節衝撃吸収が不足してしまいます。 

 

②lateral thrust予防の大殿筋+大内転筋Ex

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1.大殿筋は歩行時に腸脛靭帯を介して膝関節の安定性に関与しています。

2.大内転筋とは内転筋群の中で最も大きな筋肉です。

作用には股関節内転・伸展・内旋があります。

大内転筋は内転筋膜を介して内側広筋とも筋連結している為lateral thrust予防としては重要であると考えられます。

3.立脚初期には大腿骨の外旋が大殿筋と大内転筋により行われ、下腿内旋を前脛骨筋が働くことで膝関節の安定性が行われます。 

 

 ③lateral thrust予防の中殿筋Ex

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中殿筋は片脚支持期で骨盤の安定化に働きます。 

 

④lateral thrust予防の固有受容器・バランスEx

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変形性膝関節症患者では、静的・動的立位バランス機能の低下がみられる。その為にバランスディスクなどを用いたバランスExを行います。

 

まとめ

今回は変形性膝関節症患者さんによくみられるlateral thrustについて運動療法を紹介しました。変形性膝関節症に対する最適な運動療法の結論は出ていません。一人一人身体の状態・症状は違うので個別評価を行った上で、運動療法を選択する必要があります。患者さんの痛みなどが少しでも軽減出来ることを願っています。

 

〜1人でも多くの患者さんが笑顔に〜

 

 

 

文献

chamberlain MA,Care G,Harfield B:physiotherapy in osteoarthritis of the knee.Int Rehabil Med4:101-106,1982